島の周囲は1km弱、島までは200m程の砂浜(夏は海水浴場)で繋がっており、歩いて渡ることができる無人の陸繋島です。
もともとは、四方を海に囲まれた沖合いに浮かぶ島でした。それが関東大震災の影響を受け、地盤が隆起したことにより、潮の流れが変化して本土(陸地)と沖ノ島との間に砂が堆積するようになり、現在の陸繋島(地続き)が形成されました。
沖ノ島は、南房総国定公園(名称:沖ノ島公園)の指定を受けている自然環境区域で、ヤブニッケイ、タブノキなどの照葉樹、南方を思わせるソテツ、シュロ、カイコウズなどの植物が自生しているネイチャーアイランドとなっています。海水浴や釣りはもちろんのこと、入り江は磯場になっているので、潮が退いたら磯遊びも楽しめます。裏手の砂浜には綺麗な貝殻が沢山流れ着いていて、ビーチコーミングにはまさに最適!自然豊かな島は散策する価値大!
また、環境省が実施する「海水浴場水質調査」で毎年最高レベルの「AAランク」と認定されるほど、非常に水が綺麗です。周辺の海域にはサンゴが生息し「サンゴの北限域」としても知られています。サンゴは浅瀬にも居るので素潜りやシュノーケリングで簡単に観察することができるでしょう。
海水浴場として開設される島までの砂浜(地図上の②)は、遠浅で波も静か。また内湾にあるため、遊泳可エリアは潮の流れも非常に緩やかなので小さなお子様でも安心して楽しむことができます!
※島の裏手に行くと潮の流れが強くなる場所があります。裏手での海水浴(遊泳)はやめましょう!
【地図上の遊泳可エリアの補足】
地図上④・⑥・⑧は“遊泳可”と記載していますが「平常時は波や潮の流れが穏やか」という意味であり、遊泳時の安全を約束するものではありません。また、地図上④・⑥・⑧は海水浴場開設期間においても監視は付きません。遊泳時は自己責任となります。地図上②は海水浴場開設期間中は監視が付きます。
海水浴で身体が冷えたら、島周りで磯遊びor島探検! 暑くなったら、また海水浴!といった具合に臨機応変に遊び方が変えられ、アウトドア好きな方なら1日居ても飽きが来ないのではないでしょうか。また、沖ノ島の海は面白い特性があり、島に向かって左の海は温かく・右の海はやや冷たいという2面性を持ち合わせています。趣の違う海が1箇所で楽しめるという面白い海です。
※左右逆転する場合もあります。
とにもかくにも・・・館山で海水浴を楽しむのであれば、絶対に外せないオススメスポットと言えるでしょう!!無人島なので自動販売機やお店(飲食店など)は一切ありません。島内で半日以上過ごすというのであれば、飲食料を用意してから向かうと後々面倒が無くて良いです。当館のすぐ近くにセブンイレブンがあるので、そこでの購入が◎!
※夏場は、海の家が何軒か出店します
さて、話が長くなりましたが、下記に沖ノ島のエリアマップ(解説付)をご用意いいたしました。行く前の参考にしていただければ幸いです。館山のネイチャーアイランド“沖ノ島”をお楽しみください♪
① 駐車可能エリア
沖ノ島には整備された駐車場はないものの、道路脇に青空駐車が可能です。 途中からは舗装されてない道路(砂利道)になります。そのため、スピードを出して走行すると砂埃が立ってしまい、他の利用者の迷惑となるので、ゆっくり走るように心がけましょう!
②沖ノ島の渡り口(沖ノ島海水浴場)
沖ノ島まで繋がる砂浜が海水浴場となっています。島を正面に見て、左側の湾がやや温かめの水、右側の湾がやや冷ための水となっており、一つの海水浴場で二通りの海を楽しむことができます。遠浅で、潮の流れも緩いので、小さなお子様がご一緒でも安心してお楽しみいただけます。夏場(7月下旬~8月下旬)には「海の家」が2軒ほど建ちます。
島を正面にみて右手側に広がる180m程の砂浜館山市街側に面した湾で、水はやや冷ためです。 沖合にアマ藻が生えています。夏の暮れ(8月末)にはアマ藻が浮いて浅瀬に流れてくる場合があります。
島を正面にみて左手側に広がる200m程の砂浜洲崎側に面した湾で、水はやや温かめです。 舌平目が多く生息しています。 こちらにはアマ藻はほとんど生えていません。但し、季節によってアオサ(石蓴)が浅瀬に流れてくる場合があります。
環境省が実施する海水浴場水質検査において、常に最高レベルの「AAランク」を獲得しているので水質と透明度はお墨付です!陽が射すと、水面がマリンブルーに光り輝きとてもキレイです。思わず、飛び込みたくなること間違いなし!
※荒天・潮流によっては海底の砂が舞い上がってしまい濁る場合があります。
③沖ノ島入り口
沖ノ島への入口です。 木と木が重なって大きなトンネルを作っています。入り口は薄暗くなっており、入っていくのに少しばかり抵抗があるかもしれませんが、進んでいくと直に開けた場所にでるので安心して入っていってください。
④東の入り江
島の東側に位置する50mほどの小さな入り江です。東からの風以外は島が遮ってくれるので悪天候でも穏やかな状態が多いです。 遠浅で転石帯になっており、潮が引くと大小さまざまな石が姿を現します。 石をひっくり返してみると、多様な生物を発見することができるでしょう! 但し、環境保存の観点より、ひっくり返した石は必ず元に戻してください。穏やかな場所なので、お子様の磯遊び場として適しています。
⑤東の岬(東の休憩所付近)
岩礁帯になっており、海水浴には不向きなポイントですが、カラフルなニシキベラ、オハグロベラ等が生息しています。そして沖合にはキクメイシやエダミドリイシなどのサンゴが自生しているので、ダイビングに自信がある人は楽しめるポイントだと思います。また、満潮時にルアーで攻めると良いサイズのシーバスが釣れるポイントでもあります。航行する船が起こした波の影響を直に受ける場所なので、急な波にはお気をつけ下さい。
⑥北の入り江
島の北に位置する30mほどの小さな入り江です。基本は砂地ですが、所々に転石があります。潮が引けば、磯遊びも楽しめます。 入り江の中は安心して遊べますが、入り江の外にでると若干潮の流れが速いところがありますので注意が必要です。入り江の隣には、地曳揚場として使われていたプールがあります。今は使われておらず天然のプールと化しています。プール内には住み着いている魚が沢山いるので潜ってみると愛嬌のある魚たちと出会えることでしょう。
⑦トイレ・休憩所
島の中央に位置するトイレと休憩所です。 トイレはバイオトイレというソーラー発電で電力を確保し、バイオ発酵により分解と循環を可能としたリサイクル型のエコロジカルなトイレが導入されています。 男性用・女性用で分かれています。トイレットペーパーは無いので、持参してください。
⑧南の入り江
島の南に位置する15mほどの小さな入り江です。入り江といっても岩礁帯と転石が多く、足場が少しだけ砂浜になっている程度です。 潮が引かないと、入り江としての姿を現しません。波は穏やかなポイントなので、磯遊びに適しています。
⑨宇賀明神(うがみょうじん)
宇賀明神は嘉保3年~康和元年(1096年~1099年)に掛けて安房國司として赴任した「源親元(みなもとのちかもと)」が安房國の発展を願い、嘉保3年(1096年)、倉稲塊命(うかのみたまのみこと)を歓請し、鷹ノ島の弁財天と共に建立したとされています。倉稲塊命は五穀を司る神として平安時代以降、絶えること無く人々の厚い信仰を受けてきた、あらゆる産業の神として知られています。
※鷹ノ島は沖ノ島の手前に位置しています。その昔は島でしたが、埋め立てが進み現在では地続きの丘陵となっています。
⑩展望台跡
洲崎側の湾が一望できる展望台として休憩所が建っていましたが、老朽化が進み取り壊されました。現在では、周囲を木々が覆ってしまっているため、展望はあまり良く有りません。休憩所の基礎地盤と柵だけが名残として残っています。
⑪南西の岸壁
長年に渡って波や風で削られた岩肌が剥き出しになっており、自然が織成す芸術美が見られる岸壁です。その光景は荒々しくも、要所に丸みを帯びており、どこか優しさを感じられます。目の前にした時は感銘を受ける光景だと思います。但し、島の外側(足場の悪い岩場)を渡らないと辿り着けないので、小さなお子様には厳しいかもしれません。満潮時には足場にも水が来る可能性があるので、干潮時に行くのが狙い目です。
⑫洞窟口(壕・戦跡)
この洞窟は、全長10m程で太平洋戦争中に使われていた壕と言われています。人が行き違える程の大きさで、内部は左右に分かれて幾つか小部屋があります。海側の部屋には小さな覗き窓があり、そこから機銃を構えながら揚陸させまいと見張っていたという説もありますが、その事実は定かではありません。 壕を進むと、岸壁に抜けられます。岸壁下にはメジナ、カサゴといった根魚が棲みついているので、隠れた釣スポットになっています。
⑬裏手の浜
島中央の遊歩道を進むと裏手(西側)の浜辺に出ます。 70m程の浜辺となっていますが、岩礁帯が多く、たまに航行する船の波が押し寄せることもあるので遊泳には不向きです。ただし、タイドプール(潮溜り)や転石が多くあるので磯遊びには適したポイントとなっています。潮の流れの関係で、貝殻やシーグラスなどが波打ち際に多く集まっています。ビーチコーミングを是非楽しんでもらいたいスポットです。
⑭貝殻が拾えるポイント
欠けてないキレイな貝殻が多く打ちあげられています。館山の思い出に何個か拾っていくのも良いかもしれません。但し、貝殻は天然の濾過装置としての大切な役割を持っています。一度に沢山の貝殻を持っていくと、その機能が低下してしまい水質の悪化を招くこともあります。生態系保護のためにも良識ある採集をお守りください。
⑮沖島灯台跡
沖島灯台が建っていた場所です。「沖ノ島灯台」と言われがちですが、正式な登記名称は「沖島灯台(燈台)」になります。今となっては、灯台が建っていたとは思えないほど綺麗に片付いてしまっていますが、その当時は、灯塔高9.5m、光度500カンデラ、光達距離は8海里(約15km)、くびれ型の白亜の灯台が建っていました。